馬の熱中症
2013 / 07 / 10 ( Wed )
梅雨が明けたと思ったらいきなりの猛暑の関東です。例年だと少しずつ暑くなる間に体を慣らせば良いのですが、今年はいきなり20度後半から34-35度の猛暑に。この猛暑もうしばらく続くようで、早くもげんなりです。

テレビやラジオでは熱中症の予防の呼びかけ、熱中症で搬送された方の人数などニュースになっております。毎日熱中症で搬送される方は増える一方、この急な暑さでは皆さん体も慣れていないし対策も間に合わなかったのでしょう。

さて、馬の場合はどんな事を気をつければいいでしょう。基本は人間と同じだと思います。
エンデュランス競技では馬の体温調整・電解質の補給など、その対処法を学びます。

夏に馬に乗ると大量の汗をかきますよね。少し強めの運動をしたり、長めに乗ったりするとまるで洗ったかのように汗が流れ出て繋ぎ場でしたたる程だったりする事もあります。

この時、運動が終わったら水を与えるのはもちろんですが、できれば電解質も与えてください。
人間の熱中症の予防でもスポーツドリンクや塩分の含まれた飴などが勧められています。馬も一緒です。汗と一緒に大量の電解質を失っていますので、このバランスを取るため、また素早く水分を細胞に吸収させるためにできるだけ早く電解質も補ってあげるのが良いのです。

また運動前に予防のために電解質と水を補給しておくのも効果的です。エンデュランスの場合も出場前にできるだけ水と電解質を補給するようにします。(と言っても競技前でナーバスになっている馬が水を飲んでくれない場合も多々あるのですが・・・)

電解質には水に溶かして飲ませる粉末タイプとペーストを口に挿入するタイプなどがあります。
どちらにしても、馬が警戒したり嫌がったりする事がありますので、できれば普段、本格的に暑くなる前に慣らしておく必要があります。

通常は厩舎内に設置されたミネラルブロック(ミネラルや塩分を補充するための補助飼料)をなめたり、飼い付けの時に電解質の粉末を混ぜたりする事でも補われていますが(通常の牧草からも補給されるそうです)、運動で汗をかいたときは早めに補給してあげてください。

脱水症状に関しては、首の皮膚をつまむ事で判断する事ができます。首の皮膚(中央から肩より)をつまんで、すぐに元に戻る時は脱水に問題なし。戻りが悪い時は脱水しています。これも普段からやってみる事で、正常な状態と異常な状態を判別できます。

また、首や体を手のひらで触って異常に熱い場合、体温計で検温して通常(通常37-38度ぐらい)よりも高い場合は体を冷やしてやる必要があります。水で冷やすのですが、効果が高いのは大きな血管がある首筋・脇の下・内股と言われています。ですので、脚部や首筋中心に水で冷却しますが、腹部や背部はその時の外気温・気候、馬の状態によって慎重に判断します。

急に背部や腹部を冷やす事は筋肉の急激な冷却や消化器の冷却になりますので、予期せぬ不調などを招く場合があります。実際に春先や秋のエンデュランスでは脚部を冷やしながら背中や臀部に毛布を掛ける事が多いです。気温が低めの時は風で急激に筋肉が冷えないように背部や臀部は保温します。また、腹部も濡らさないようにします。

脚部や首筋に水を掛けた場合、掛けっぱなしにしないでください。馬の体温で掛けた水はすぐにぬるま湯になります。汗こきで温まった水を切ってまた冷たい水を掛ける事を繰り返します。水を切らないと逆に熱がこもる場合があります。冷却を終了する時は水を切るのを忘れないようにしてください。

馬の表情をよく観察してください。目がどんよりしている、普段より元気がなくぼーっとしているような時は熱中症の可能性があります。尿の色が普段と違う・量が少ないなどといった症状にも気をつけてください。

冷却や電解質と水の補給でまだ馬の様子が変わらない場合、水を飲んでくれない場合は、獣医さんを呼んで点滴をしてもらった方が良い場合もあります。

人間用のスポーツドリンクや塩飴などは・・・どうなんでしょう??人間用のスポーツドリンクはおやつ感覚で与えると喜んで飲みますけど、電解質の構成に違いがあるらしく、電解質の補給としてはよろしくないと聞きます。ちなみに馬用の粉末電解質を水に溶いたものを飲んでみましたが・・・正直まずいです・・・・・

日陰があれば日陰に、扇風機があれば扇風機を使っても可、その時の状況判断で適切な対応ができるように、普段から心がけておけると良いですね。他にもいろいろな対策や普段からの観察・備えができると思います。この暑い夏を馬たちが無事乗り切れますように。


本格的に学んでみたい方はこちらをどうぞ
Dangers of Electrolytes in Horses
http://www.equisearch.com/horses_care/dangers-electrolytes-horses/

Dehydration and Electrolyte Losses in the Sport Horse
http://vet.tufts.edu/sports/dehydration.html

英文で、私も途中までしか読んでいませんが、かなりまとまって書かれています。

MT-0206.jpg
アップルエリート電解質

ちょっとだけ宣伝。当店で扱っている電解質。粉末で水に混ぜるタイプ。
残念ながら当店の取引先ではペーストの電解質がないので、ペーストタイプが欲しい方は乗馬クラブのスタッフか獣医さんなどに尋ねてみてください。


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